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確定申告の際の医療費控除可能なサービスについて

確定申告の際に所得控除できるもののうちで医療費控除というものがありますが、医療費控除は医療費だけではありません。
介護サービスを利用した際にも医療費控除が適用になるケースがあります。

介護サービスについてもすべてが控除の対象となるわけではないので、まとめてみました。

居宅系のサービスと施設系のサービスに分けて考えてみましょう。

まずは、居宅系サービスです。
居宅系サービスの中でも医療系と福祉系でさらに分けて考えましょう。

医療系のサービスには、介護老人保健施設の通所リハビリテーションやショートステイなどがあります。
この場合は、以下の額が控除可能です。
1.介護サービス利用額の自己負担額(1割負担の方や2割負担の方がいます)
2.食費・滞在費に係る自己負担額
3.支給限度額超過分の自己負担額

これに対し、福祉系のサービスには、特別養護老人ホームのショートステイやデイサービスセンターでの通所介護などがありますが、すべての福祉系サービスが対象となるのではない点に注意が必要です。
居宅系サービスの福祉系では次の点に注意が必要です。

・医療系の居宅介護サービスとセットで利用する場合に、医療費控除の対象になること
・介護保険の支給限度額を超えて利用した場合の自己負担分は医療費控除の対象外となること
・医療系の居宅サービスとセットしないで介護福祉士等の喀痰吸引等を利用した場合には、居宅サービス費として支払った金額の10分の1が医療費控除の対象になること

そして、控除可能額は
・介護サービス利用料の自己負担額(1割負担、2割負担)
のみとなります。

ということは、通所介護での食事代は控除対象外となります。
特養でのショートステイについては、食費・居住費が控除対象外となります。

続いて、施設系のサービスの医療費控除です。
こちらも、医療系と福祉系で扱いが異なっています。

まずは医療系の施設サービスからです。
これには、介護老人保健施設(いわゆる老健)や介護療養型医療施設があります。
医療費控除できるものは、施設サービス(介護サービス費・食費・居住費)自己負担額の全額となります。

介護に係る費用の自己負担金と・食費、居住費です。
実際に利用している方であれば、介護の費用は介護保険一部負担金などという項目で請求されているかと思います。
これらの費用について全額医療費控除されるのが医療系の施設サービスです。

これに対し、福祉系の施設サービスですが、これには介護老人福祉施設(いわゆる特養)や地域密着型介護老人福祉施設などが当てはまります。有料老人ホームは医療費控除されませんので注意が必要です。

そして、控除の対象となるのは、
施設サービス(介護サービス費・食費・居住費)の自己負担額の半額です。
こちらは、半額が控除対象ということを覚えておいてください。

施設に入所すると施設サービス費以外にも日用品や、理美容のサービス、電気代などの費用も掛かりますが、これらはどの施設を利用しても医療費控除は対象外です。

有料の老人ホームや、訪問介護、福祉用具貸与など介護保険を利用しても対象とならないサービスもあるので確認をしてください。

最後に、医療として合算できるのはどんな人かということにも触れておきます。
これは、だれでもできるのではなくて介護保険を利用している人と生計を一にする親族(6親等以内の親族と3親等以内の姻族)となります。
生計を一にするとは、扶養しているとは意味が異なります。
一部でも生計を同じくしていることで足りますので、親族であれば対象となる可能性は高くなりますね。

というわけで、今回は、福祉サービスを利用した場合でも医療費控除が適用されます。ということについてご説明いたしました。
居宅と施設、医療と福祉それぞれの利用するパターンによって内容が変わりますということだけ覚えていただければと思います。