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2021年4月以降に提出する36協定は様式が変更となります

働き方改革が施行され、2020年4月からは、時間外労働の上限規制が開始されました。
この改正に伴って、新しい様式が公開されましたが、2021年4月以降は、また様式が変更となります。

今回は、変更点と注意すべき点を解説します。

2021年4月~36協定が新しくなります
https://www.mhlw.go.jp/content/000708408.pdf

2021年4月から変わること

① 押印・署名の廃止

② 労働者代表者選任方法についてのチェックボックスの新設

署名・押印の廃止

これまで必要だった署名または押印が不要になります。
内閣府では、押印見直しマニュアルを発表し、行政手続きの14,909手続(99.4%)について押印廃止を検討するとしています。

今後は、ほとんどの手続きにおいて押印が廃止されることが予想されています。
36協定については、毎年発生する手続きのため、影響が大きいですね。

事業主および労働者代表者署名または押印が廃止されることとなりました。

しかし、これには注意点がありますので、最後まで読み進めて下さい。

協定当事者に関するチェックボックスの新設

36協定届については、前回の様式よりチェックスボックス欄が設けられました。
前回は、「時間外労働・休日労働を合算した時間は、1か月100時間、複数月平均で80時間を超えないこと」
について、チェックスボックスが設けられ、このチェックボックスにチェックを付けなければ、労働基準監督署に受け付けてもらうことはできませんでした。

というわけで、2020年の36協定には、チェックボックスのチェックを付けて届出したという事業所がほとんどだと思います。

今回は、さらにもう2か所、チェックボックスが設けられることとなりました。
それが、下記のものです。

上記協定の当事者である労働組合が事業場のすべての労働者の過半数で組織する労働組合である又は上記協定の当事者である労働者の過半数を代表する者がすべての労働者の過半数を代表するものであること。

上記労働者の過半数を代表する者が、労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にあるものでなく、かつ、同法に規定する協定等をするものを選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないこと。

これらは、注意が必要です。
近年の送検事例を見ても、長時間労働による精神疾患等が発生した場合において、36協定で設定した時間を超えていなくても、代表者の選任方法に問題があったとして、36協定自体を無効と判断される場合があるからです。

わざわざこのようなチェックをさせることからも、今後の監督では、代表者選任方法について厳格に監督を行うという方針が見て取れます。

注意点

ここで、注意しておくべき点です。
今回ご紹介している手続きは、36協定届という書類に関してです。

本来は、労使が話し合いの結果、協定書を締結し、この協定書の内容に基づいて協定届を労働基準監督署に提出する事となっています。

しかし、労働基準監督署に提出する協定届で本来の労使協定を兼ねるという取扱が許されているため、本来の労使協定書を作成していない場合があります。

今回の記載例にも記載していますが、「協定書を兼ねる場合には、労働者代表者の署名又は記名・押印が必要」となります。

ですから、多くの事業所では今まで通り、労働者代表者のところには押印をしなければならないことになります。

これまで、使用者の記載欄には印のマークがあるのに、労働者代表者の記載欄には印のマークがないことに疑問を感じた方もいらっしゃると思います。

これも同じ理由で、協定届はあくまでも労働基準監督署に届けるための書類であり、本来の協定書が正式に締結されていれば、押印の必要がなかったわけです。

代表者の選任方法はどうしたらいい?

厳格化された、代表者選任方法ですが、今後はどうしたら良いでしょうか?
労働組合がある場合は、労働組合の代表者となりますが、労働組合がない場合はどうしたらよいかという点について、お伝えします。

ダメな例

・経営者や事務の責任者が指名している。

・互助会や共済会などがあり、その会長などを代表者としている。

・総務などの事務担当者に頼んで、書かせている。

・毎年、同じ従業員に「いつもの頼むよ」と依頼している。

代表者の選任方法が誤っているというところは、かなり多くあると考えられます。

代表者選任方法について

では、どのように選べばよいでしょうか?
原則は、立候補者を募り、立候補がいれば、その方でよいか従業員全員へ意見を求めるという方法です。

どうせ、立候補者を募っても誰もいないでしょ?という場合でも、

立候補者を募っているという手続き自体に意味があるので、この手続を実施して下さい。

立候補者がいれば、その中から誰がふさわしいか従業員全員に意見を求めます。
立候補者がいなければ、労働者同士で話し合って決めていただくか、ふさわしいと考えられる従業員について、従業員全員の意見を聞きます。

従業員に意見を聞く方法としては、書類やメールで一人ひとりに返事をもらうという方法もありますが、クラウドシステムを利用するという方法も考えられます。

一つの例としては、Googleフォームというものがあります。
Googleフォームで質問を予め用意しておいて、全員にフォームのリンクを送信し、従業員にアクセスしてもらうという方法です。

この方法のメリットは、従業員に意見を聞いているということが形に残るという点と、集計作業が不要になる点です。

メールが使用できない従業員については、作成したフォームをプリントアウトして配ることもできますので、アナログな対応も可能です。
なお、Googleフォームは無料で利用可能ですので、試してみて下さい。

Googleフォーム
https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/

まとめ

今回ご紹介した新様式は、2021年4月以降に提出する36協定から変更となります。
よって、2021年4月以降の協定期間のものであっても、2021年3月までに提出する協定届については、旧様式での届出が可能です。

今回、新たにチェックボックスが新設されたということは、今後の監督指導に少なからず影響を及ぼすものと考えられますので、ご注意下さい。

最近の監督指導においては、長時間労働というのが最も従業項目とされておりますので、労働時間の管理方法なども見直してみてはいかがでしょうか?

36協定の作成をはじめ、労働時間管理や勤怠システムについてのご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。