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新設となった加算を確認(通所介護)

介護報酬改定の情報から今回は、通所介護事業所の新設の加算について記載しています。
今回プラス改定となったなかで、大部分の事業所が減収となるのではないかと思われている通所介護のなかで新設となった加算についてお伝えしていきます。
大きな改正がありましたのでよく確認してみてください。

1-1.サービス提供時間帯区分の変更
1-2.ADL維持等加算
1-2-1.要件
1-2-2.2018年4月から算定する場合
1-2-3.2019年4月から算定する場合

1-1.サービス提供時間帯区分の変更

今回見直しとなったもので大きく変わったのが、サービス提供時間区分です。
2時間ごとに区分されていたものが1時間ごとの区分となり、これまで7時間以上9時間未満で算定していた事業所は、これまでよりもサービス提供時間を増やさなければ、減収となってしまう見込みです。

対策としては、定員まで稼働率を上げていくということと8時間以上のサービス提供を行える体制をとることです。
サービス提供時間を延ばせば、人材を増やすなどの対策が必要となりそうです。

今回の改定で注目となるのは、自立支援の取り組みを評価する加算が導入されるかというところでしたが、通所介護ではその評価がついに導入となったことです。
評価としては、経営に影響を及ぼすような額ではありませんが、今後の通所介護の行方を左右するものとして算定をしていきたい加算ということは間違いなさそうです。

1-2.ADL維持等加算

単位数は以下の通りとなります。

ADL維持等加算Ⅰ 3単位/月
ADL維持等加算Ⅱ 6単位/月

1-2-1.要件

以下の要件を満たす事業所の利用者全員について、評価対象期間(1月から12月)終了後の翌年4月から翌々年3月までの1年間、算定を認める

    1.評価対象期間中に連続6ヶ月以上利用した要介護者の集団(6ヶ月の間に5時間以上の通所介護費の算定回数が5時間未満の算定回数を上回る利用者に限る)について、以下を満たすこと
    ・総数が20人以上
    ・評価対象利用期間の初月(複数ある場合は最も早い月)に要介護度3~5の利用者が15%以上
    ・評価対象利用期間の初月に、初回の要介護度・要支援認定があった月から12ヶ月以内の利用者が15%以下
    ・評価対象利用期間の初月と6ヶ月後に機能訓練指導員がBI(バーセルインデックス)を測定しており、その結果が厚生労働省に報告されている利用者が90%以上
    ・BIを測定している利用者のうち、BI利得が上位85%の人について、各々のBI利得が1以上なら1、-1以下ならー1、0なら0として、全員の合計が0以上であること
    2.上記の要件を満たした事業所において、当該利用者のBIを測定し、厚生労働省に報告している場合、加算Ⅱを算定できる。加算Ⅰは体制加算、加算ⅡはBIを報告している利用者への加算で、各月でいずれか一方のみ算定可

今年度(2018年)から算定する場合と来年度(2019年)から算定する場合で分けてみていきましょう。

1-2-2.2018年4月から算定する場合

利用者のBIを2017年1~12月の評価対象期間中にサービス利用の初月と6ヶ月後の2つの時点で測定しており、その記録を保存していれば算定可能(上記のアウトカム要件などを満たす必要はある)

1-2-3.2019年4月から算定する場合

2018年1月~12月の間にADL維持等加算の届出をすれば、その届出日から12月までを評価対象期間にできる(6ヶ月の評価対象利用期間を要するため、7月までの届出が必要)

ということで、ある程度長時間利用する方の割合が多い事業所でないと算定ができないということなので、
短時間の機能訓練特化型の通所介護施設では算定が難しいことから今後の経営にも影響を与えそうです。

通所リハとの機能分化も進む中で、短時間型の通所介護は今後対策が必要となりそうです。

ということで、今回は、新たに設置されたアウトカム評価であるADL維持等加算を中心にお伝えしました。
是非、ご参考に