Pocket

就業規則の作り方【ステップ4】

dictionary

ここまでで、就業規則を作るうえでの基本的な考えが理解できている頃かと思います。
それでは、いよいよ具体的なルールを作成していきましょう。
その際も必ずステップ1から3までの考え方を常に頭において、考えてみてください。

就業規則の作り方【ステップ1】
就業規則の作り方【ステップ2】
就業規則の作り方【ステップ3】

ルールを決めるうえで重要な2つの視点

ステップ1からステップ3までが終わったら、それぞれの項目ごとに具体的なルールを作成していきます。
それぞれの項目について、

・人として正しい選択ができる決まりになっているか

・自分の家族だったらどのように考えるか

という視点で考えてみてください
そのうえで、法律に照らしあわせ法違反とならない条文を作成していきます。

条文作成に当たっては、次々に法改正がなされていますので、最新の情報も入手して作成を行ってください。

就業規則の作成に当たっては、2通りの考え方があると思います。

1つ目は、従業員が会社にとってふさわしくない行動を制限して、問題のある行動を行った場合に、従業員を罰したり懲戒処分を定めておくもの

これを「リスク軽減就業規則」と呼ぶことにします。

このような就業規則を作成しているところは、多いと思います。
確かに、多くの人が集まる職場では、すべて優秀でまじめな人ばかりではありません。
時には、問題のある人も入社してくることもあるでしょう。
のちに、問題となるかどうかは入社した時点ではわかりませんので

そう考えると、何らかの決まりを作って、してほしくない行動を制限する必要がありますし、
指導しても治らない場合は、辞めてもらうしかないと考えるかもしれません。

しかし、どんな人でも

「悪いことはしないでおこう」

「人にやさしくしよう」

というような心を持っているのだと思います。

それが、就業規則でこれはダメ、あれはダメと規則で縛ることで反発してしまうこともあります。
そんな時でも、本来は「問題を起こしたい」とか「仕返しをしてやりたい」と本心から考えている人はいないと思います。

確かに、リスク管理をすることで罰を与えたり、辞めさせたりする仕組みを作ることは可能です。
しかし、そのように考える前に従業員を信じて、従業員を家族と同様に考え成長させる仕組みを考えることが大事です。

これを、「人を大切にする就業規則」と呼ぶことにしています。

1つ1つの条文を考える際に、

「人として正しい選択ができるか」

「自分の家族だったらどう考えるか」

ということを考慮して作成することで、人を大切にする就業規則が出来上がります。

「リスク軽減就業規則」
「人を大切にする就業規則」

皆様の会社では、どちらを選択しますか?

一つ一つの規則を作成していきましょう

必ず規定しなければならないのは、絶対的記載事項
決まりがあれば規定しなければならないのは、相対的記載事項

これら一つ一つについて、「どうしたら従業員が成長し、大切にすることができるだろうか」と考えてみてください。
また、新たに必要となるルールもできてきます。
例えば、ハラスメントや介護の問題などです。

これらについては、ゼロから考えることは難しいことかもしれません。
法律的に守らなければいけないことは、資料を参考にしたり、専門家の力を借りることも考えてみてください。